2008年春季大会(第8回)

“待遇コミュニケーション”における「意識(きもち)」と「形式(かたち)」の連動を考える

今大会のテーマは、「「待遇コミュニケーション」における「意識(きもち)」と「形式(かたち)」の連動を考える」です。

学会として第一回目となる07年秋季大会においては、学会が目指すところを明らかにするために「待遇コミュニケーション学」という領域を提言しましたが、続く08年春季大会では、「待遇コミュニケーション学」における中心的な研究課題を確認し、共有していきたいと考えます。

「待遇コミュニケーション」を考える上で、まず重要なものは、「コミュニケーション主体」です。「待遇コミュニケーション」は、ある「コミュニケーション主体」の「コミュニケーション行為」として成立するものと考えますが、ここにひとつの中心的な研究課題が浮かび上がってきます。

それは、「コミュニケーション主体」の「意識(きもち)・内容(なかみ)」と、「コミュニケーション行為」における「形式(かたち)」の連動をどのように捉えるか、明らかにするか、という課題です。

当日は、特に、この「きもち」と「かたち」の連動に焦点を当て、連動を明らかにする研究とその研究方法をめぐって、「大会委員企画」の部を中心に、会場の皆様と意見交換を行いたいと思っております。

講演会には、野田尚史氏(大阪府立大学教授)をお迎えし「日本語非母語話者の待遇コミュニケーション ― ていねい形と普通形の不自然な運用を中心に」というテーマでお話しいただく予定です。

プログラム

12:50開会
第1部 研究発表会
13:00~13:30 「男性の自称詞に関する考察 ― 「ぼく」と「おれ」を中心に」
M共同研究グループ 李錦淑氏・伊藤由希子氏・佐藤万里子氏・尹惠靖氏・李楠氏・大沢裕子氏・山本実佳氏(早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程)
13:30~14:00 「「許可与え表現」に関する考察」
M共同研究グループ 田所希佳子氏・イリット・タピロ氏・李錦淑氏・伊藤由希子氏・佐藤万里子氏・尹惠靖氏・李楠氏(早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程)
14:00~14:30 「コミュニケーション主体を対象とした質的研究の必要性 ― 第三者的評価とコミュニケーション主体の認識の分析から」
徳間晴美氏(早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程)
14:40~15:10 「「決定権」を「相手」に委ねないことが「適切」となる「行動展開表現」に関する考察」
伴野崇生氏(早稲田大学大学院日本語教育研究科博士後期課程・香港中文大学 専業進修学院 専任講師)
15:10~15:40 「代名詞にみるコミュニケーション主体の事態認識と表現形式」
新村朋美氏(フリー)
15:40~16:10 「面接調査談話における共感の表出 ― 他者の発話のくり返し、言語行動のくり返し」
熊谷智子氏(国立国語研究所)・木谷直之氏(国際交流基金ジャカルタ日本文化センター)
第2部 講演会
16:20~17:50「日本語非母語話者の待遇コミュニケーション ― ていねい形と普通形の不自然な運用を中心に」
野田尚史氏(大阪府立大学教授)
17:50閉会
18:00~18:20待遇コミュニケーション学会総会
18:20~懇親会(22号館8階会議室/懇親会費1000円)